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ザ・ピーコック・スーツ
THE PEACOCK SUIT

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インタビュー

ONE AND ONE


■ザ・ピーコック・スーツ・インタビュー■
高橋一路&小松崎健郎
聞き手/構成:吉田猛
(タワーレコード オンライン事業本部)

<結成までのいきさつ>

ーーまずお伺いしたいのですが、ザ・ピーコック・スーツが結成されることになったのは?
(高橋:T) これがはたしてバンドなのかはさておき。ある日、小松崎クンから電話があってね。急遽、CDを作ることになったので協力してくれないか?って。
(小松崎:K) そうそう。そもそものキッカケは、知り合いの会社の社長、とても音楽好きな方なんですけど、彼がスポンサーになるから、とにかくロックでも演歌でも構わない、これこれこれだけの資金は出せるから作ってくれって言われまして。で最初は僕が中学時代から書き溜めていた曲を色々な知り合いのプロのミュージシャンに歌ってもらおうではないか、と。それでまずは友人でもある高橋さんに相談しました。プロデュースしてくれない?って。
(T) デモテープみたいなものをそれで聞いたのね。ああ、これだったら、僕たち2人でやったほうが、時間的にも早く終るんじゃないかな、って思った。それで僕は言ったの。小松崎クンが全部歌えば良いじゃないって。そしたら反対されちゃって。
(K) うん。僕は自分で歌う気なんてまったくなかったから。それで高橋さんに全曲歌ってもらって、なおかつ歌詞も英語で高橋さんに作ってもらうことにしたんですよ。ところが。
(T) 僕としては、やっぱり作者が自分の言葉で歌うのが一番だっていうポリシーがあった。演奏も含めてね。だから、嫌がる(笑)小松崎クンにも、歌詞書いたり演奏したり歌ってもらうことにして、どうしても歌えないっていうものに関しては、僕が歌ったり、一緒に歌ったりしたんだ。
ーー小松崎さんは歌うのが嫌いとか?
(K) っていうか、昔からだけども、自分の声がさっぱり好きになれないんですよ。音程もちょっとアレだし。
(T) いや、僕は味があって良いと思うんだけどなあ。ロジャー・マッギンやトム・ペティみたいに個性的というか。
(K) それは100万倍褒めすぎです(笑)。でも、だからなるべく自分の声は小さくしてもらいました。ま、ともあれ、そうして作業してゆくうちにザ・ピーコック・スーツが生まれたというわけです。


<ザ・ピーコック・スーツの由来>

ーーバンド名の由来は?やはり、ポール・ウェラーのあの曲からですか?
(T) それはまったく関係ない。
(K) ピーコック・ブーツにピーコック・ジョイント、ピーコック・スプリングフィールド、孔雀族なんて候補名までありましたっけ。まあ、深い意味はないです。

  <レコーディングについて>

ーーレコーディングについてお聞きしたいのですが、どのくらいかかりましたか?
(T) 正味でいうと1週間くらい。もっと時間かけたかったんだけども、お互いに時間がなくてね。
(K) 去年の年末に始めて、お正月過ぎにはトラックダウンが終ってました。基本的に60年代の音楽が僕の場合好きだから、そんな感じで、ほぼワンテイクで。やっぱ多少ずれたり音程が狂ったとしても、一番最初に録ったものが一番いいんだ。と、弁解しておきます(笑)。
(T) いや、本当にそれってあるよ。ビートルズの初期の作品だってタンバリンとか微妙に外してるし、ストーンズだってリズムがメロメロの曲があるじゃない?「アイム・フリー」とか。でも、だから良いんだよね。と、僕も弁解しておこう(笑)。
ーーそれでは一曲ごとに簡単なコメントを。


●ペティ
(K) メロディー作ったのは高校の時くらいかな? 歌詞をつけたのは数年前。ちょっとした知り合いに、トム・ペティのファンだという女性がいて。で数人で一緒に飲みに行ったんだけれども、とにかく小泉首相の大ファンらしく、口にすることといえばそればかりで。けど、それから数年して会ったら、旦那さんはリストラされるわ、とかで、自民党に騙された、って怒っててね。知ったこっちゃないって思いました。

>●ミルクの森で
(K) これは3年位前に作った曲。日本の貴人のなかで最初に遺言で散骨を命じた淳和天皇に捧げたものです。ディラン・トーマスのイメージもあるかな。ただし高橋さんが英語にしてきてくれた詞がどうにも歌えなくて。だから、曲を想像して、目を閉じ頭に浮かんできた英語?だけを口にしてみました。だから英語はメチャクチャ。シタールは2人で弾いてるんだけど、ソロはすべて高橋さん。想像していた以上の美しいソロです。
(T) ベースが僕、リズム・ギターは2本とも小松崎クン。小松崎クンの場合、こういうザ・バーズっぽいギター弾くのって本当にうまいよね。感心しちゃうよ
(K) 中学の頃とか、周りがみんなリッチー・ブラックモアのコピーしてるのに、ただ一人、教室の隅で「霧の8マイル」のソロをコピーして悦に入ってた少年の、30年後のなれのはてですな。

●待ちぼうけ
(T) タイトルとメロディーだけ小松崎クンが考えて、あとはお任せコースの曲。いわゆるビートロックなんだけど、2人とも、もうこういった曲を演るには年を取りすぎたね、って終ったあとに大笑いしちゃったよ。

●ミルクと煙草
(K) 10数年前くらいに、ひどい鬱病を患ってなんの意欲もわかなかったときに、ふと思い浮かんで作った曲。仕事は全くでも、音楽そのものはまだ少しは好きなんだな、って思いました。
(T) 僕は、この曲、大好きだな。うん、このアルバムのなかで一番気に入ってるかもしれないね。

●すてきなリップス
(K) 高校時代に友人と作った曲です。いわゆるオーラルな内容の歌詞だけど。あのときのあの娘は今頃幸せな主婦にでもなってるのかしらん。
(T) しらん。

●プリティ・ガール・ホワイ
(T) この曲のトラックダウンは、なんとスタジオと同じビルにあるカラオケ・ボックスでやったんだよね。
(K) そうそう、ちょうど3時間ほど時間が空いちゃって。カラオケ屋の店員さんの目を気にしながら、こっそりとやりました。
(T) 壁には「カラオケ以外の目的での使用はお断り」って貼ってあったんだけど、ま、野郎2人なわけで、いいでしょ。

●いたずらな魔女
(T) これも最初は「ミスター・ユニバース」ってタイトルで僕が英語の歌詞を作ってきたんだけども、どうにもしっくりこない。結局、小松崎クンがスタジオの隅で3分くらいで歌詞を書いた。まったく違ったものになっちゃったけどね。ところで「安達が原」ってなんなのよ(笑)。
(K) まあ、高橋さんは飲まないからあれだけど、男性で酔っ払って過ちを犯した方であれば、みんなわかるはずですよ。
(T) ああ、飲んでも飲まれるな、ってやつね。
(K) 後悔先に勃たず(?)ってことです。
(T) (笑)最初は、ビートルズでリンゴの歌う「消えた恋」みたいにアコースティックな感じだったんだけど、やってくうちにエレキを入れることにしたんだ。

●レディ・クリシュナ
(K) この曲だけ、僕がリード・ギターを弾いてるんですけど。なんか、これもザ・バーズっぽいかな。

●ライフ・イズ・ア・ドリーム
(K) 最初に作ったときはただのフォーク・ソングでした。それにロカビリーの、「ロックタウンは恋の街」みたいな雰囲気を合体させたかったんですが。
(T) 僕としては、この曲を入れることに最後まで反対したんだけども、でも、今聞いてみると箸休めみたいな感じでまあまあいいかもしれないね。

●オン・ザ・ボーダー
(T) デモ・テープの段階から、とてもシンプルな曲調だったから、リード・ギターとかは加えずに、小松崎クンがリッケンバッカー1本で弾いたリズム・ギターだけにした。

●輝く金字塔
(K) 今まで書いた曲の中で、詞が先に出来ていた唯一の作品。

●ホールド・ミー・タイト
(K) てっきり僕が弾いたのはガイド・ギターで、あとで高橋さんがもう一本重ねて弾いてくれた後に消し去ってくれるだろうと思っていたんだけれども、そのままこのギターだけが採用されてしまったんですよ。昔から、こういうビート系のギターって大の苦手だったんだけど。10年ぶりくらいですかね、リッケンバッカー330の弦
をキュイ〜ンっってやるのって。結構楽しかったです(笑)。
(T) 初期のザ・ジャムとラモーンズが、マージービートしてるような、そんなイメージにしたかったからね。このギター・サウンドはこれはこれで気に入ってるよ。

●白い散歩道
(K) これは結局、何回やってもうまくいかなかった曲。いつかまたやれたらいいんだけど、だから、それまでは、音は悪いけど、このデモ音源を聞いて完成形を思い描いてください。歌詞は三途の川というか天国一歩手前の場所についてです。
(T) 不協和音を出すべく2人で試行錯誤したんだけどね。ベースラインは気に入ってるよ。また、いつか再度チャレンジしてみたいね。


  <今後について>

ーー今後の予定についてお聞きしたいのですが、たとえばライヴとかは?
(K) う〜ん。僕の場合、パニック障害というのを患っていて、まあ、数年前に比べるとかなり良くなったんですけど、だから、あまり大勢の人の前にいることとか億劫なんですよ。今でもイベントの司会とかDJとか、そういった仕事のオファーが来ても断ってるわけで。だからライヴは、う〜ん、未定ですね。
(T) それに2人ともそうそう時間が合うってわけでもないしね。今回のアルバムはオーヴァーダビング出来たから、ほとんど2人でやれたわけだけど、いざ、ライヴとなると、ベースにドラムにキーボード、それにあと1本ギターも必要かな、つまりあと4人は必要になるかもしれない。しかもリハーサルだってやらなくちゃならないだろうし。
(K) でもまあ、こじんまりとしたトーク・イベントとか、そのくらいは。
(T) うん、だったら出来るかもね。僕たちがレコーディングの時、スタジオ帰りに立ち寄ったファミレス程度の会話であれば。
(K) しかも、あの会話にしてもね。
(T) そうそう、かなり濃密で面白いよ。それこそ音楽から政治、宗教、麻雀まで多岐にわたるしね(笑)。



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